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④AIM(エーアイエム)完全ガイド

仕組み・注射製剤の現状・フードとの違い・正しい付き合い方を獣医師が解説

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慢性腎臓病(猫)

④AIM完全ガイド

「AIM(エーアイエム)という注射が腎臓病を治すと聞いた」

「AIM(エーアイエム)のフードを食べさせれば大丈夫と友人に言われた」

「うちの子はAIM(エーアイエム)の治験に入れますか?」

AIM(エーアイエム)に関する情報は、インターネット上に正確なものと不正確なものが混在しています。過剰な期待も、根拠のない否定も、どちらも飼い主さんの判断を誤らせます。

このページでは、AIM(エーアイエム)とは何か、注射製剤の現在の状況、フードやサプリとの違い、そして「今この子に何ができるか」を、2026年3月時点の情報をもとに正確に解説します。

このページでわかること

AIM(エーアイエム)とは何か、なぜ猫の腎臓に関係するのか / AIM(エーアイエム)注射製剤の開発・治験・承認申請の現状 / AIM(エーアイエム)フード・サプリと注射製剤の根本的な違い / AIM活性化療法食(2024年12月発売)について / 「今すぐできること」と「待つべきこと」の整理

1. AIM(エーアイエム)とは何か

AIM(エーアイエム)は「Apoptosis Inhibitor of Macrophage(アポトーシス阻害因子オブマクロファージ)」の略称で、マクロファージ(免疫細胞の一種)が産生するタンパク質です。

1999年の発見以来、東京大学の宮崎徹教授らによって研究が進められており、「なぜ猫は腎臓病になりやすいのか」という問いに対するひとつの有力な仮説として注目を集めてきました。

AIM(エーアイエム)の「通常の働き」

健康な状態では、AIM(エーアイエム)は体内の「不要になった細胞の残骸」を除去する働きに関わっています。腎臓においては、尿細管に詰まった老廃物をマクロファージが片付けるのをサポートする役割があると考えられています。

なぜ「猫の腎臓病」にAIM(エーアイエム)が関係するのか

ここが重要なポイントです。犬や人間ではAIM(エーアイエム)は血液中を自由に動き回っていますが、猫ではAIM(エーアイエム)が「IgM(免疫グロブリンM)」という別のタンパク質にしっかりと結合しており、自由に機能しにくい状態になっています。

この「結合によって不活性化された状態」が、猫の腎臓で老廃物が除去されにくくなる一因である可能性が研究で示唆されています。

人間・犬
血中AIM(エーアイエム)の状態 遊離型(自由に動ける) IgMと結合(不活性化されやすい)
腎臓での老廃物除去 比較的スムーズ 詰まりが生じやすい可能性がある
腎臓病の発症率 猫ほど高くない 高齢になるほど急増(15歳以上で30〜40%という報告も)

「AIM(エーアイエム)仮説」はあくまで仮説のひとつです

AIM(エーアイエム)と猫の腎臓病の関係は非常に有力な仮説ですが、腎臓病の原因はこれだけではありません。高血圧・慢性炎症・遺伝・加齢・食事など複数の要因が絡み合っています。「AIM(エーアイエム)さえ何とかすれば腎臓病は解決する」というわけではなく、それが治験・承認のプロセスが慎重に進められている理由でもあります。

2. AIM動物実験で何がわかったか

腎臓病のマウスモデルを使った実験では、AIM(エーアイエム)を投与することで以下の効果が示されています。

  • 尿細管に詰まった老廃物の除去が促進された
  • 尿細管の閉塞が改善した
  • 腎線維化(腎臓がかたくなる変化)が抑制された可能性がある

また猫を対象にした研究でも、AIM(エーアイエム)注射によって腎機能が改善したケースが報告されており、これが注射製剤の開発・治験につながりました。

腎臓の自然修復メカニズムに働きかける新しい治療アプローチへの期待

現在の腎臓病治療は「進行を遅らせる」ことを目標にしています。もしAIM(エーアイエム)注射製剤が正式に承認された場合、「腎臓の自然修復機能を引き出す」という今までにないアプローチが加わる可能性があります。これが「腎臓の自然修復メカニズムに働きかける新しい治療アプローチ」と言われる理由です。ただし承認後も万能薬ではなく、既存の治療との組み合わせで効果を発揮するものと考えられています。

3. AIM(エーアイエム)注射製剤はいつ使えるようになりますか?(2026年3月時点)

AIM(エーアイエム)注射製剤の開発は、現在以下のフェーズまで進んでいます。

時期 内容
〜2025年初頭 前臨床研究(マウス・猫モデルでの有効性・安全性確認)
2025年5月 全国26病院で臨床治験開始。対象:IRIS(アイリス)ステージ3の猫。投与プロトコルの詳細は承認審査の過程で公表される予定です
2025年末〜2026年初頭 治験終了
2026年4月
(予定)
農林水産省への動物用医薬品承認申請(予定)
2026年中
(見込み)
承認・実用化の可能性。審査期間次第で前後する可能性あり

※ 上記は2026年3月時点の情報です。承認審査の状況によって変わることがあります。最新情報はご来院時にお伝えします。

「治験に参加できますか?」というご質問について

2025年5月に開始した臨床治験(対象:IRIS(アイリス)ステージ3の猫)はすでに終了しています。現時点で新たに治験に参加することはできません。承認後に適応となった場合は、ノア動物病院でも対応できるよう準備を進めています。

承認後の「適応」はどうなるか

現時点では承認申請の詳細(対象ステージ・投与頻度・費用など)は公表されていません。承認審査の過程で明らかになる予定です。

投与方法は静脈注射になる可能性が高いとされており、その場合は動物病院への通院での投与が必要になります(自宅での皮下補液とは異なります)。費用については数千円〜1万円程度を目標に開発が進められているとされていますが、正式な価格は承認後に公表される予定です。

ノア動物病院では承認後、情報が明らかになり次第、腎臓管理プログラムへの組み込みを検討します。適応情報が入り次第、診察時にお伝えします。

4. AIMフード・サプリと注射製剤はどう違うの?

「AIM(エーアイエム)」という名前がつく製品はいくつかありますが、注射製剤とフード・サプリは仕組みが全く異なります。ここを混同すると、大切な治療をやめてしまうリスクがあります。

AIM(エーアイエム)はタンパク質です。口から食べると胃や腸で消化・分解されるため、経口摂取したAIM(エーアイエム)がそのまま血中に入って腎臓で機能することはありません。また、L-システイン等の成分が体内のAIM(エーアイエム)を活性化させて腎臓病に治療効果をもたらすという医学的エビデンスも確立されていません。

なお、当院ではAIM(エーアイエム)関連の市販フード・サプリメントの取り扱いはしていません。

AIM(エーアイエム)注射製剤 AIM(エーアイエム)フード・サプリ(AIM30等)
AIM(エーアイエム)の届け方 直接血中に投与するため、AIM(エーアイエム)が血中で機能する 口から摂取したAIM(エーアイエム)タンパクは消化管内で分解される
血中での機能 血中AIM(エーアイエム)濃度が直接上昇する可能性がある 経口摂取したAIM(エーアイエム)が血中でそのまま機能することはない
臨床エビデンス 治験データあり。承認申請中 腎臓病への治療効果を示す医学的エビデンスは確立されていない
現在の入手方法 未承認。承認後は動物病院で処方 市販(ペットショップ・通販等で入手可能)
位置づけ 動物用医薬品(承認後) ペットフード・サプリメント
当院での取り扱い 承認後に対応予定 取り扱いなし

「AIM(エーアイエム)サプリを飲ませているから大丈夫」は危険な誤解です

市販のAIM(エーアイエム)関連商品は「食品・サプリ」であり、動物用医薬品の治験を経た注射製剤とは根拠レベルが全く異なります。これらの製品を与えることで療法食をやめたり、定期検診を怠ったりするケースが問題になっています。既存の治療の代わりにはなりません。

5. AIM注射製剤が承認されるまで、今できることは何ですか?

AIM(エーアイエム)治療への期待は大きいですが、承認を待ちながら「今できること」を続けることが最も重要です。

内容
今すぐできること 食事管理(療法食・リン制限)を続ける / 水分をしっかり摂らせる / 定期検診(3〜6か月ごと)でデータの「流れ」を把握する / 血圧・UPCのサブステージを管理する
承認後に検討すること AIM(エーアイエム)注射製剤の適応・投与プロトコルが公表され次第、担当医師とその子への適応を相談する
避けること 「AIMフードやサプリを与えているから大丈夫」と思い込んで療法食・検診・薬物療法をやめること。経口AIMに治療効果はありません / 未承認の注射製剤を入手しようとする

「AIM(エーアイエム)が出るまで様子を見よう」は逆効果です

承認を待つ間も腎臓病は進んでいます。現時点で最もエビデンスのある治療──食事・水分・血圧・リン管理──を続けながら、AIM(エーアイエム)注射製剤が承認されたときに「余力がある状態」でその子を迎えさせることが、最善の準備です。

6. ノア動物病院のAIM(エーアイエム)に対するスタンス

ノア動物病院では、AIM(エーアイエム)を「現在進行中の重要な研究領域」として位置づけています。

  • 治験データ・承認審査の動向を継続的にモニタリングしています
  • 承認申請の内容・審査結果が公表され次第、適応基準・投与プロトコルをご案内します
  • 「AIM(エーアイエム)があれば今の治療はいらない」という誤情報にはっきりNOと伝えます
  • 当院ではAIM関連の市販フード・サプリメントの取り扱いはありません。経口摂取のAIMに治療効果がないことを、飼い主さんにはっきりお伝えしています

私たちの立場は「データが出るまで冷静に待ちながら、今できる最善を続ける」です。AIM(エーアイエム)に関して不安なこと・聞きたいことがあれば、診察時に遠慮なくご相談ください。

7. よくある質問

Q

AIM(エーアイエム)の注射はいつ受けられますか?

A
2026年4月に農林水産省へ承認申請が予定されており、順調なら2026年中に承認される可能性があります。承認後、ノア動物病院でも対応できるよう準備を進めています。承認の情報が入り次第、ご来院の患者さんにお知らせします。
Q

AIM30などの市販フードやサプリは効果がありますか?

A
AIMはタンパク質であり、口から摂取すると胃で消化・分解されます。経口摂取したAIMが腎臓に届いて機能することはありません。当院での取り扱いもありません。
Q

AIM(エーアイエム)のフードに切り替えたら、今の療法食をやめてもいいですか?

A
絶対にやめないでください。経口AIMに腎臓病への治療効果はありません。AIMはタンパク質であり、食べても消化・分解されて腎臓には届きません。当院ではAIM関連フードの取り扱い自体がありません。現在の療法食・薬物療法を継続してください。
Q

治験の結果はどうでしたか? 効果はありましたか?

A
2025年5月開始の治験の詳細な結果は、承認申請・審査の過程で正式に公表される予定です。現時点では非公表です。動物実験では腎修復促進・尿細管閉塞改善のデータが示されており、これが治験につながった背景です。
Q

うちの子はStage 3ですが、AIM(エーアイエム)注射が出たら受けられますか?

A
承認後の適応基準(対象ステージなど)は現時点で公表されていません。審査の過程で明らかになり次第お知らせします。Stage 3の場合も、現在の治療(補液・貧血管理・血圧管理など)を続けながら情報を待つことが最善です。
Q

AIM(エーアイエム)は「腎臓病を治せる」のですか?

A
現時点では「治せる」とは言えません。動物実験では腎修復促進の効果が示されており、「今まで存在しなかったアプローチ」であることは確かです。ただし承認後も万能薬ではなく、食事・水分・薬物管理との組み合わせで最大の効果が期待されるものです。正式な効果・適応は承認後の情報をご確認ください。

8. まとめ

AIM(エーアイエム)は、猫の腎臓病治療に新しい可能性をもたらす重要な研究です。注射製剤は2026年中の承認が期待されており、実現すれば「腎臓の自然修復を引き出す」という今までにないアプローチが加わります。

ただし今この瞬間、最も確実にその子の腎臓を守る手段は変わりません。

  • 早期発見のための定期健診(年4回)
  • 食事・リン管理の継続
  • 血圧・UPCのサブステージ管理
  • 水分をしっかり摂らせること

AIM(エーアイエム)が承認されたとき、「余力がある状態」でその子を迎えるために。今日の検診と食事管理が、最善の準備です。

ノア動物病院(山梨/東京・八王子)

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ノア動物病院では、腎臓病と付き合っていくだけではなく「ならせない」ケアに力を入れています。
小さなお悩みでも、ぜひお気軽にご来院ください。

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